OnTheRoad

このアルバムは記録です。福岡県北九州市のJR小倉駅前 平和通りでサックスの路上演奏をデジタル録音したものです。アルバムを作るに当たり試行錯誤を続けましたが、録音スタジオよりも、もっと臨場感が出るのは、連日行っている路上演奏をそのまま記録することではないかと思い至り、雑踏の様々な音も、投げ銭のお礼で演奏が中断した部分も、あえて修正せずそのまま収録しました。作品内容については、すべて往年のジャズ・スタンダードで、バラードが主体になっています。


1 TENDERLY
この曲は誰かの演奏を聞いて好きになったのではなく、その昔、楽譜を自分で試奏してみて良い曲だと思い演奏レパートリーに加えた。この曲を演奏するのに自分はサックス最低音Bbサブトーンを多用するのでテナーでよく演奏していた。ここではカーブドソプラノ。ロックだとアルバム最初からテンパった演奏するのがデフォだが、バラードの方がメインのスタンダードジャズ曲アルバムなのでこれもありでしょ。

2 NANCY(WITH THE LAUGHING FACE)
コルトレーンの超有名盤Balladsに収められている。それしか聞いた事がない。もちろん自分もコルトレーン バラードは好きで愛聴盤の一つ。明日は大きなライブだとかで緊張して眠れない夜に聞くと体が弛緩してぐっすり眠れる、音の睡眠導入剤なのである。

3 ALL ALONE(LEFT ALONE)
私の使う楽譜集 Hal Leonard版 RealBookではAll Aloneとなってるが、日本じゃ一般的にLeft Aloneとして知られている。ピアニスト、マルウォルドロンが亡くなったビリーホリデイに捧げた曲。けっこーリクエストも多い。原曲のジャッキーマクリーンの朴訥としたアルトサックスがすごくいい。

4 SOPHISTICATED LADY
デュークエリントン楽団のバラード。コード進行がむずいがバラードでテンポがゆっくりなので助かっている。垢抜けした都会の女性を表現してるとかどうでもよくて、一種のじっと息を潜めているようなリズムの中で、比較的むずいメロディとむずいコード進行に格闘する自分を見る。

5 MY ROMANCE
この曲は抜群にコントロールされたエロいサブトーン出すベンウェブスターのテナーサックスが好きでまだ初心の頃に耳コピした思い出がある。カーブドソプラノで演奏すると可愛いお気楽な曲になるのであった。

6 STABLEMATES
ベニーゴルソンの難曲。キーも難しい方だし、サビがクロマチックにコードが変わっていっていっつも挑戦曲であったが経験とは貴重である。慣れた。マイルスのプレスティッジ盤でよく聞いた。

7 FOUR
初心の頃から自分が好んで演奏するマイルスデイビスのオリジナル。前曲、Stablematesもそうだが、こういうジャズメンが作った曲は”ジャズオリジナル”と呼ばれる。みんなが演奏するようになると”スタンダード”とカテゴライズされるようになる。投げ銭で「アザーっす」って入ってます。

8 GOD BLES’THE CHILD
この曲は、エリックドルフィーのバスクラリネットソロでしか聞いたことがなかった。彼の演奏は、どこがメロでどこがフェイクしてるのか、さっぱりわからなかったが楽譜見て「そういうことか、けっこういい曲じゃん」と思った。夕焼け小焼けカラスが鳴くから帰ろう的なノスタルジックなメロディは郷愁を誘う。

9 STELLA BY STARLIGHT
これも初心の頃にスタンゲッツのテナー演奏を完コピしたりしてた。咳き込んでしまった。長時間演奏するのでそういう事もありますし。

10 MISTY
ハナ肇によく似たエロールガーナーの珠玉のピアノ曲である。ソプラノサックスで演奏するとまるっきり雰囲気が変わるが、これはこれで、ある種の情感を聴衆に伝えるのである。

11 IN A SENTIMENTAL MOOD
この曲はエリントン楽団のバラードであるが、コルトレーンもやってるし大スタンダードとなってる。自分も昔からなんども演奏してきた曲。ちなみのこの録音の時、聴衆からの投げ銭が福沢諭吉様であったことは忘れない。

12 MY ONE AND ONLY LOVE
今も昔も名曲中の名曲バラード。というか単に自分が好きなだけかも知れぬ。表題のこんな甘ったるい純情な愛なんて、現代日本でまるでお目にかかった事がないが、欧米では当たり前にこういう表現するのであろう。フランクシナトラのMyWayやビートルズのThe Long And Winding Loadにも通じる、人生を俯瞰するような趣きがあるのである。今もラストに演奏することが多い。
(以上、曲解説だけ2018/12/24記)

録音データ
2015/5/7,21,22 福岡県北九州市小倉北区 小倉駅前 平和通り
Marcatoカーブドソプラノサックス / i Real Pro
12曲 約70分

このアルバムを制作するにあたって、以下の方々に感謝いたします。
数々の暖かい激励と投げ銭を頂いた小倉の街に集う方々。
全国で演奏旅の間に触れ合った全ての方たち。

そして、今はもういない父母に捧げます。

2015年5月14日 自宅にて。

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